介護でできる高齢者の尊厳への配慮

介護施設を利用している高齢者が尊厳を失ってしまった場合、自棄になったりやる気を失いどんどん老いが加速するなど深刻な問題になります。これは寿命を縮めてしまう主な要因にもなりかねないため、介護士は高齢者が尊厳を失わないよう配慮をしながら介護を行う必要があります。

足腰が弱ってうまく立つことが出来ず、日常生活を満足にこなせなくなり、次第に弱っていく高齢者も多く見られます。しかし、弱っているからとはいえ介護士任せにばかりしていては余計に心身ともにさらに弱りきって、前向きな気持ちも損なわれていきます。いかに高齢者の自立心を損なわせず活動してもらうかが、介護における重要なポイントです。

そうした介護において、レクリエーションは非常に重要な意味を持ちます。折り紙一つをとっても、昔を思い出しながら指先を動かすことで創造性を刺激できますし、同じ高齢者同士でコミュニケーションを取ることもできるのです。高齢者の体調によっては、介護士側が高齢者に準備を手伝ってもらい、以前の若々しさを取り戻してもらうことも可能でしょう。これは、料理の手伝いも同様です。

尊厳を失いかけている高齢者の場合、介護士に辛く当たってしまうこともあるでしょう。そのようなときは、納得がいかないとしても介護士自身がまずは冷静になることが大切です。深呼吸をするなどして一旦気持ちを落ち着かせ、高齢者の尊厳を守りながら根気強く接するようにしましょう。新人介護士の場合は難しいかもしれませんが、徐々に慣れることでそんな状態にも対応できるようになるはずです。高齢者の尊厳を守ることは介護の仕事に欠かせない心掛けといえるので、さまざまなポイントに留意して介護を行いましょう。